まずは形から

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 今年も大石会計事務所は新卒の新入社員を迎えることができました。気の合った仲間たちと付き合っていればよかった学生時代と違って、ビジネスの場では自分の好き嫌いは言っていられません。言葉遣い、気遣い、身だしなみ、なにより規則正しい生活など学生時代とは違うことばかりです。

 社会に出たら、自分の意志とは関係なく多くの人たちと関係を持つことになります。そして、その人たちとうまくコミュニケーションをとっていくためには、一定のルールが必要になります。それがいわゆるビジネスマナーというものです。

 ビジネスマナーというと、スマートな名刺交換、如才ない挨拶、流暢な電話応対等々を思い浮かべる人が多いと思いますが、それだけではありません。結果として相手に気持ち良くなってもらい人間関係を良くすることが目的です。大切なことは相手への気遣いなのです。

 ですから、思いっきり丁寧にやればいいというものでもありません。むしろ丁寧過ぎては慇懃無礼と思われてしまいます。あまりに軽々しい挨拶はどうかと思いますが、深々と頭を垂れる最敬礼に親しみを感じる人など、普通はいません。

 もうひとつビジネスマナーで大切なことは、自分自身を輝かせることです。正確に言うと、輝いているかのように見せることです。目線が下がっていたり、声のトーンが低くなったりしていると、自分では気がつきませんが、周りの人はしっかり感じ取っているものです。

 目線が高く輝いている人の周囲には多くの人が集まってきますが、仏頂面の人に厳しい場面が増えてしまうのは仕方のないことです。ビジネスを上手くいかせるには、明るく振る舞うのがいいに決まっています。 「男は40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」の名言を残したのはエイブラハム・リンカーンです。年をとると、優しい人は優しそうな、誠実な人は誠実そうな、意地悪な人は意地悪そうな顔になっていくものです。長年の習慣で笑い皺や怒り皺が刻まれるのですから、顔にはその人の性格や人生観が表れるというのも頷けます。

 人間は形よりは中身が大切なのは言うまでもありません。しかし中身の追求を優先していたのではいつまでたっても形にまで至りません。まず初めに振る舞い、つまり形から入って次第に心に至るというのが王道ではないでしょうか。茶道、華道、武道もみな同じなのです。