R.K

　私が今の美容院に通い続けている理由、それは「こちらが話さなくても、美容師さんが話してくれる安心感があるから」です。

　もともと美容室って少し緊張する場所でした。話しかけられると何か答えなきゃいけない気がして、無理に話題を絞り出したり、気まずい沈黙が続いたり。あの空気がちょっと苦手でした。

　でも今の美容師さんは違います。
席に座ると自然に天気の話から始まり、最近のニュースや地域の出来事、さらには「さっき来たお客さんがこんなこと言ってました」といった他愛もない小話まで、テンポよく話してくれます。

　私はただ「へぇ」「そうなんですね」と相づちを打っているだけなのに、なぜか会話が成り立っている。
不思議なことに、美容室を出る頃には盛り上がった気になって「今日も楽しかったな」と思えてしまいます。

　一方的に話しているようで、実はちゃんとこちらの反応を見ながら話題を選び、空気を読み、話のペースを整えてくれている。
これはもう一種の「話術」であり、立派な付加価値だと思います。

　美容師さんのように、相手の緊張をほどき、安心して任せてもらえるような「話し方のスキル」、自分の仕事にも取り入れていきたいと思いました。